「じゃあ、今日はこれで」 と、河野浩介が言った。 「うん、ごちそうさま」 と、私は返した。 「じゃあ、学校でね」 と、河野浩介が手を振った。 「うん、学校で」 と、私はお歯黒みたいな黒い歯で笑って、手を振って彼に背を向けた。 「あ、忘れ物!」 と、背後で河野浩介が言った。 「え?」 と、私は振り返って、「どれ?」と聞こうとしたけど、聞けなかった。