食べ終わって、河野浩介は「トイレに行く」と言って、伝票を手に取った。


「いいよ、自分のは」と言ったけど、河野浩介は譲らなかった。


「その代わり、次また一緒に行くときは、ご馳走してよ」


と笑って。


こうなると意地でも払いたいところだけど、言い出すと聞かない頑固なところが、河野浩介にはあった。


イケメンの無駄遣い。本当にもったいない。もったいなくて、腹が立つ。