金井奏太が出した条件は、もう一度私と付き合うことだった。


さすがに私は、「いや、それはちょっと……」と断った。


すると、金井奏太も「じゃあ、俺も断らせてもらう」と言った。


「他の条件にしてくれないかな? ほら、高橋隆人を奴隷にする権利とかは?」


「なんで俺を巻き込むんだよ」と高橋隆人に頭を叩かれた。


「それにいい条件じゃねえの?」


「どうして? 付き合うって結構なリスクじゃない?」


「いいや、金井は付き合う長さは提示していない」


「付き合う長さ?」


「つまり、付き合って、すぐ別れたっていいってことだ。そうだろ? 金井」


そう高橋隆人から聞かれた金井奏太は「ああ、問題ない」と言った。


「まあ、俺が指定した日から最低でも半日は付き合ってもらう。それでどうだ?」