「そういえばそうだったね。まあ、頑張って!」
「おう! 絶対県大会行くから」
そう言って、秋澤明人はホームを走って渡って、反対側の電車に乗った。
いくら元カレとはいえ、高校最後のインターハイだ。頑張ってほしいと心から願う。
秋澤明人は陸上選手、高橋隆人は俳優、長田治は小説家。
元カレたちはそれぞれの道へ向かって、頑張っている。
頑張るために青春を謳歌している。
「私も頑張らなきゃ」
そうつぶやいて、電車に乗り、家に帰って少し勉強をしてその日は眠った。
しかし、その翌日、秋澤明人が松葉杖をつきながら登校してきた。