クラスの男子が全員、元カレだった件





メイドさんが部屋に入ってきて、「お風呂に入りますか?」と聞いた。


私と青山碧は用意をして、ライオンの口からお湯が出るお風呂に浸かった。


「あー、ほんと広々。私、お風呂だけでも通おうかな」


と言って、青山碧は顔をお湯に浸けた。一応、当枝家のお風呂は温泉ではないらしいけど、旅館の温泉よりも、私は好きかもしれない。初めの頃こそ落ち着かなかったものの。


「わかるわ。私もお金払ってでもいいから通いたいわ」


「ほんと交渉してみようかな、当枝くんに」


「当枝くんのことだから絶対OKって言うよ?」


「それもそうだね」


そういえば、青山碧とお風呂に一緒に入るのも久しぶりだ。


こういうのもたまにはいいなとぼんやり思っていると、青山碧は「見て? バタフライ!」と言って、泳ぎ始めた。


その泳ぎがまた綺麗なこと。知らなかった。青山碧が水泳が得意だったなんて。


旧友でも知らないことはまだまだあるんだなと思って、私も横で背泳ぎをした。