「あ、いらっしゃい」と言って、庭にある西洋風の四阿(あずまや)、ガゼボで本を読んでいた当枝冬馬が立ち上がった。


「よかったらこれ、食べてよ」


誘われるまま、私と青山碧はアフタヌーンティーが並んだデーブルの席に着いた。


しかし、高橋隆人は席に着こうとしない。


「なあ、当枝」


「何? 高橋くん」


「なんでこいつがいるんだ?」


私も思っていた。


ガゼボでは、すでにアフタヌーンティーを堪能している肩を鯉が滝登りしているTシャツを着た男がいた。