「へえ、そいつはいいな!」と高橋隆人が立ち上がった。


「決めた! 俺も行く! 当枝に言っておけよ?」


まさか食いついてくるとは思わなかったけれど、こうなったら仕方がない。


私は昼休みに、重松茂との弁当会の場に、当枝冬馬を呼び出して、交渉をした。


「OKだよ」とまああっさりと、許可が下りた。


「あ、どうせなら重松くんも来る?」


と、当枝冬馬は重松茂にも誘った。


「いや、僕はやめておくよ。剣道の試合があるからね」


「そうか、残念だな。でも、剣道の試合、頑張ってね!」


「うん、ありがとう。当枝くんたちも勉強、頑張ってね!」


なんだか、この二人の会話を見ていると、和む。


こう、周りにふわふわしたものがあるような感覚。


きっと気が合うんだろうけど、二人で仲良くしているところを私は見たことがない。


元カレ同士でもいろいろあるのだろう。