子供たちが門限で帰り、びしょ濡れになった河野浩介は、私の座っていたベンチの横に座った。 そして、私の両手をとって、こう言ったのだ。 「僕、こんな感じで子供っぽいところあるんだ」 私は、「でも、いいと思うよ? そういうの、すごくいい」とうつむきながら言った。 そしたら彼は、うつむいた私の顎を右手でくいっと上げて、そのまま……。 ……そのまま、キスをした。