「まだここに来てたんだね」
私がそう聞くと、長田治は何も言わずに、こっくりと頷いた。
「私は久しぶりに来た。あんたがここに通ってることがわかったからね」
そう言うと、また長田治はこっくりと頷いた。
「で、あの画像はあんたの仕業?」
長田治が頷く。
「どうしてそんなことしたわけ?」
そう聞くと、長田治は頷きもせず、黙ったまま、コーヒーを見ていた。
「まあ、言わなくてもわかるよ。あんた、私のことが嫌いなんでしょ? だから私を貶めようとしてるんだ。文芸部を辞めることになった時だってそう。あんたがあんなことしなかったら、今頃……」とここまで言って、私は紅茶を一口飲んだ。
「そのことはいい。昔の話だし」



