私が文芸部を辞めるきっかけになった奴であり、私の元カレ史上最短の付き合いだった長田治だ。


「そっか。あいつか……」


「だろうな。長田が座ってた席と、写真が撮られた角度から見ても、間違いないと思う」


やっぱりそうか。私にこんなことをするのは、長田治しかいない。


「ありがとう」と言って私は席を立った。


「あ、脚本はこれ。3つ書いたから、良さそうなの、今日の夜にでも教えて。じゃあ、ここにアイスティー代は置いておくから」


私は勢いよくカフェを飛び出し、歩きながら、残っていた長田治のLINEにメッセージを送った。


『今から会える? 喫茶店レインリリーで待つ』