「へえ、そういうことがあったのか。あ、確かにLINE来てた」


と三島志麻はスマホを開いて言った。


三島志麻はあまりスマホをいじらない。特に人からのメッセージは基本見ない。要件は基本、通話だ。


それは彼女であっても例外はない。私も、付き合っていた頃、三島志麻からのメッセージは、スクリーンショットで残していたほど、貴重なものだった。


「米倉さん、怒ってる?」


「画像と一緒に、『これどういうこと? 浮気ですか?ww』って来てた。『ww』が付いてるから、怒ってないんじゃね?」


いや、確実に怒ってるだろ、それ。と私は思った。


「で、話はそれだけか?」


「いや、ここからが本題なんだけど」と私は入る前に、アイスティーを一口飲んだ。


「この画像があるってことは、撮った人がいると思うんだ。それで、あの日、ここで誰かに会わなかったかなって」