「私、なんか自信なくなってきた……」


「いや、そこは自信もっていい」と三島志麻が言った。


「前に、文芸誌に載ったお前の小説を読んで面白いと思った。だから、お前に頼んだんだ」


「え?」


文芸誌といえば、文芸部で校内用に発行しているあれか。確か、新人賞の最終選考まで残った時に、顧問の先生に載せられたんだっけ。


「あれ、読んでたの?」


「ああ」


付き合っていた頃、そんな話、してなかったのに……。と思ったけど、三島志麻はそういう男だった。