「それよりも、脚本の打ち合わせしちゃおっか」


と言って、私はテーブルに持ってきたルーズリーフと筆箱を出した。


三島志麻がここにいる理由。それはバイト終わりに三島志麻が言った、「脚本について相談したいんだけど、これから時間あるか?」という一言からだった。


だから私は、広田博との用を済ませて、その終わりに三島志麻と脚本をどうするか、話し合うことにしたのだ。


「整理しておくと……」と言って、三島志麻は、ルーズリーフに私の持ってきたペンを走らせた。


「まず、役者は二人くらいで考えている。尺は10分程度。あとは、ワンシチュエーション」


「ワンシチュエーション?」


「一つの場所で話を完結させるってことだよ」


なるほど。そうなると必然的に会話劇のようなものになる。つまり、脚本のセリフが特に重要になってくるわけだ。