私は三島志麻とキミトトクラブの部室を出た。
二人並んで歩きながら、私は「志麻くん、今日バイトは?」と聞いた。
「ああ、これから行くつもり。お前は?」
「私もそうだよ」
「なら……」と三島志麻は前を向いたまま言った。
「一緒に行くか?」
そんな言葉が、もう一度三島志麻の口から聞けるなんて思っていなかった私の目は、潤んだ。
「……うん!」
「あと、ごめん。ストーカーとか言って」
「……うん!」
「本当はクラスが一緒になった時からお前ともう一度話したかった」
「……うん!」
「バイト先、一緒になれて嬉しい」
「……うん!」



