映画が終わった。わずか10分ほどの映画だった。
「感想を聞かせてほしい」
そう三島志麻は電気を点けながら言った。
「でも、私、映画とか演技のことよくわからないんだよね」
「何でもいい。むしろ演技や映像よりも、ストーリーやセリフについて教えてほしいんだ」
ストーリーや、セリフ……。
それだって正直わからない。でも、違和感はある。
「設定がその……攻めてるなって感じた」
「攻めてる?」
「そう、攻めてる。別れ話だけ、それも夜の海だけで、『起承転結』をつけてるでしょ? 男女の終わりを『起』に持ってきて、海に洗われて新しくなった二人の出会いが『結』になる。時間も、一日の終わりを象徴する夜を『起』に持ってきて、一日のはじまりを『結』に持ってきてる」
「対比……か?」
「そう、対比。対比のバランスを意識してるなって感じたよ。でも……」
「でも?」
私はある違和感を感じた。
「これを書いた人、なんか、焦ってるように感じる」



