「冗談だよ。でも、文芸部復帰は、本気で考えてほしいなっ。復帰作は、いずみん自身のラブストーリー、とか!」 「書きません」 「えー、絶対ウケると思うのになー」 と賀来さんは、例の隠し扉の向こうにある、執筆部屋に入っていった。やっぱり、入った後の壁を見ても、何の変哲もない壁だ。 そもそも、こんな部屋が、どうしてこの瀬花高校にあるのだろうか。答えはきっと、元短歌部員しか知らないんだろうな。