チャイムが鳴って、ホームルームが終わると、私はカバンを持って、廊下を走り、階段を駆け下りて、新調したローファーを履き、昇降口を出て、校門を走り抜けた。


まるで、「走れメロス」のメロスのように、「スーホの白い馬」の白い馬のように。


そして、そのままの勢いで、駅の改札を抜け、電車に飛び乗ろう……としたけれど。


「え? 人身事故?」


止まっていた。なんてツイてない。