「あーーー、もうっ!」 イライラする。こんな要求をしてくる、手紙の主もそうだけど、一番頼りになりそうな奴が、よりにもよって、こんな奴しかいないってことが腹立つ。 「わかった。協力して?」 「おっけ。とりあえず、場所移そうか」 そう言って、河野浩介は私をエスコートする。手を取って、ローファーに履き替えさせ、歩きながら時々、私の方を振り返って微笑む。 その度に私は、いつキスされるのか、びくびくしながら、口元を手で覆って歩いた。