そして日向は私の手話動作を見て笑顔で頷いた。
そういえば前に…。
『だから日向さんが弟と同じで聞こえづらいと知って驚いたんです』
そう…言っていた。
あぁ、そうか。だから彼は…。
私は彼とそっ…と目を合わせてゆっくり口を開く。
ちゃんと言えるかわからないけど…。
すぅ…っと息を吸う。
「わ、たしと…友達に…なって、くだ…さい」
最後の方が声が震えて小さくなってしまった。
…伝わったかな?
彼をちらっと見ると…震えていた。
「っ!?」
もしかして怒ってるとか?
今まで断ってたから…。
そう思っていると。
「よっしゃー!!」
彼は思いっきりジャンプをした。
これでもかと…嬉しそうに。
「よろしくな!それから…陽菜ちゃんって呼んでもいいですか!!」
顔を真っ赤にして真剣に聞いてきた日向。
…陽菜ちゃん…か。
「…」
私は無言で頷く。
するも日向は…。
「ありがとう、陽菜ちゃん!!」
満面の笑みを向けたかと思いきや…突然、私を抱きしめた日向。