「ちょっと、付いてこないでよ」

「いいじゃないですか。通学路が同じだったのも何かの縁ですよ」

「嫌なものは嫌」

私は付いて歩いてくる赤城くんから逃れる為、早歩きになった。

「赤城くん、ここからは女性専用車両だから」

私は上手く女性専用車両に逃げ込んだ。

福岡から転校して来た赤城くんは女性専用車両と聞いて首を傾げていた。

「もう、なんなのよあの子」

その日は駅で会っただけで、学校で赤城くん会話を交わす事はなかった。

その日の夜、私は夢で赤城くんと教室で二人きりだった。

「先輩、俺…」

「嫌よ。本当に嫌だからね」

「まだ何も言ってないじゃないですか」