音に祈りを!歌に願いを!

僕がそう考えながら聴いていると、その音楽はぴたりと鳴り止んだ。

「……っ!」

次の瞬間、僕の目の前に半透明の鍵盤が現れる。その鍵盤は、僕が毎日のように遊んでる音ゲーと良く似たものだった。

「……これは?」

僕と悠の声が、重なる。いつの間にか周りの音が聞こえるようになっていて、僕は悠の方を向いた。

「……悠、手に持ってるそれは?」

悠の手にはエレキギターをモチーフにした剣?刀?が握られてて、僕と目を合わせた悠は「……分からない。急に現れて……」と不思議そうに剣を見つめる。

「……俺、ダメージノーツに触れたみたいでしばらく動けそうにない……君たち、代わりに戦ってくれないかな?」

「戦うって、どうやって……」

僕が呟くと、男性は「奏者の君は、判定ラインに合わせてノーツをその鍵盤を叩けばいい」と僕を見た。

……僕は、いつも音ゲーを遊ぶ時のようにしたらいいのか。

「ノーツの種類や操作の仕方は、君が1番得意なものによく似ているから分かると思う。実戦だと、ダメージノーツが降ってくるから気を付けて……難易度は、今の君の実力に合わせて自動的に設定される……曲は……ランダム選曲。だけど、曲を獲得するには……あれを倒すしかないんだ。だから、1番最初は1曲だけ」