音に祈りを!歌に願いを!

「ごめんね……ごめん……」

そう言って、悠は僕を抱き締めた。

「え……?」

僕がそのことに驚いてると、悠は僕の服をぎゅっと掴む。

「……辛いこと、思い出させてごめんね……」

そう言う悠の声は震えてて、表情は見えないけど泣いているということは分かった。

「…………僕のことなんて、放っておけばいいのに……」

不意に口から出た言葉。

「……放っておけるわけがない。俺の事、嫌いでも苦手でも構わない。でも……俺は……陽音が大切なんだ。俺の、わがままなお願いだってことは分かってる……どうか、死なないで」

「……え……?」

「……今の陽音、すっごいしんどそう……しんどいなら、辛いなら……一緒に泣いてあげるから。陽音の悲しみも一緒に背負ってあげるから……だから、だから……」

「……」

悠の言葉に、僕は糸が切れたかのように泣きじゃくる。

そんなこと言われたの、初めてだ……。



悠のお母さんの提案で悠の家にお邪魔することになった僕は、悠の部屋に案内してもらう。

「少し、散らかってるけど……」

そう言いながら、悠は床に座った。悠に促されて、僕は床に座る。

「…………悠、ごめんね……」