「……!」

次の瞬間画面が切り替わって、曲選択の画面になる。

「絶望の夜想曲……これが、君が昨日演奏した曲かな?」

スピーカーから流れてくる曲を聴きながら、男性はそう呟いた。

「……君の演奏に興味がある。1曲、演奏してくれないかな?」

「……良いですよ」

僕は解放されてるマスターを選んで、決定を押して遊び始める。

「……」

……想像したよりも、難しいな。でも、楽しい譜面だ…………えっと、ここの階段はスライドで捌いて、ここは片手トリル……。

「……ふぅ」

思ってたよりも体力消耗の激しい譜面に、終わってすぐに息を吐く。

「……フルコン、逃したな……希望の嬉遊曲がどんな感じか分からないけど、とりあえず……この曲、詰めなきゃだし……譜面研究もしないと」

僕がそんなことを呟いてると、男性と悠は「……凄い……」と同時に呟いた。

「……そう?」

僕が首を傾げると、男性と悠は同時に頷く。

「……君、もしかして……hinato……?」

僕がどのゲームでも使ってる、プレイヤー名である「hinato」という名前とともに聞き覚えのある声に、僕らは声がした方を見る。

「やっぱり、hinatoだ。久しぶり~。実際に会うの、音ゲーの大会以来だね」