そして放課後。
「優紀！今日バイトないよね？今から遊…」
「嫌」
「早っ！なんで！？」
「だってアンタと遊ぶとあの人たちついてくるでしょ」
「あの人たち…？」
誰？とあたしが優紀に問いかけた時、教室の扉が勢いよく開いた。
同時に聞こえる女子の歓声。まさか…！
「川野先輩…」
「あんなちゃん！雪弥先輩って呼ぶって約束したのに～！」
「いや、約束はしてませんけど」
「あはは、冷たいなぁ」
優紀はやれやれと言った顔で帰り支度を済ませている。待って！と言う間もなく、頑張れ、と一言残し、帰って行った。
「…優紀ぃ…」
「あれ？お友達帰っちゃったね？」
「誰のせいだと…」
「責任持って、一緒に帰ります！」
「遠慮しときます」
あたしがあからさまに嫌な顔をしていると、女子の歓声が再び上がった。
何事かと見てみると、扉の前で仁王立ちの樹の姿。
