広い校舎は真っ暗で、ジオは注意深くイリヤの気配を探さなければならなかった。
目を閉じて、イリヤの痕跡やその他の気配に集中する。
食堂のテラス席から昇降口まで。昇降口から校舎の中に戻り、渡り廊下を通ってーーと、追いかけていき、図書館へ。そして、とうとう地下室の存在に気がつく。
果たして、イリヤはそこにいた。
そして、レンブラントも。
「お前、イリヤに何したの」
「久しぶりに会って第一声がそれかよ」
丁寧に挨拶でもしろと言うのではないだろうが、そうだとしたら冗談じゃない。
「無関係の子に手出しするなんてね。ただのバカだと思ってたらずいぶん陰湿なバカになったじゃない」
「手出しなんて人聞きの悪いこと言うなよな。オレはただこの子に茶を出してやっただけだ」
「ふん。どうせまた嫌がらせでしょ。僕に勝てないからってーー」
最後まで聞かずに、レンブラントは動いた。力を込めた拳はジオの身体を掠めて、ばちばちと青い光が弾ける。
「おー、怖いね。そんなことできるようになってたんだ」



