目覚めたジオの体は、まだいくらか重たかった。
すっかり夜になってしまっていて、ジオはイリヤの夕食を用意していないことに気がつく。
勝手に食べていてくれるといいんだけどーーと思いながら、イリヤの姿を探した。
「イリヤ……?」
家の中は真っ暗で、人の気配がない。もうとっくに帰ってきているはずの時間だ。
すぐさま実習班の生徒たちに連絡を取る。真っ先に、ヒルデが捕まった。
『イリヤちゃん、まだ帰ってないですか?』
「うん。班の誰かと一緒にいないかな」
『いえ。私たちは先に学校を出ちゃいましたから……あの、先生の知り合いだっていう用務員さんに声をかけられていたんですけど』
「知り合い? 僕の?」
用務員の知人に心当たりはない。
『ご存じないですか? 金髪のーーあ、兄弟子だって言ってたかも』
「兄弟子……兄弟子ねえ」
兄弟子の知人なら心当たりがある。心底面倒な心当たりが。
ありがとう、よく分かったよと電話を切って、ジオは肺の空気を絞り切るような深いため息をついた。よりにもよって。
ともかく、すぐに学校に行かなければならない。移動手段をどうするかーーと、ジオは使えそうなものを探す。



