魔術師と下僕


「そうだーージオルタに渡して欲しいものがあんだよ」
「ジオに?」
「ああ。そんなに重たいものじゃないから、お前に頼んでもいいか?」
「はい、大丈夫ですよ」


 イリヤは愛想良く言った。じゃあ付いてきてくれ、とレンブラントが言うので、イリヤは他の四人に小声で「先に帰ってて」と伝えた。

 四人はじゃあまた、と手を振り、賑やかに会話しながら夕暮れ時の校舎を後にした。


 レンブラントの部屋は、校舎と渡り廊下で繋がれた図書館の地下にあった。


「あの、渡すものって」


 イリヤの問いに、まあそう急ぐなよ、とレンブラントは椅子を勧めてくれる。お茶の用意をしてくれるらしい。お湯を沸かしながら、レンブラントは一冊のアルバムを出してきた。


「昔のオレたちの写真」


 そう言われて、イリヤは飛びついた。
 小さな男の子が二人写っている。黒髪がジオで、金髪がレンブラントだ。表情豊かなレンブラントに対して、ジオはいつも不機嫌そうにしているのが面白い。