魔術師と下僕

 そして。


「ちなみに僕もこの学校の講師の試験に合格したのでよろしくね」
「!!!???」
「拍手が聞こえないよ」


 イリヤは、マジですか、と思いながら拍手をした。一応だ、一応。


「ま、正規じゃなくてバイトだけどね。下僕が逃げないように見張ってるから」


 本当はイリヤの学校生活が気になって仕方がないだけのジオだったが、そんなことはもちろん口に出せない。ちなみに面接では「魔術界の未来を担う若い世代の役に立ちたいと思いました」的な心にも無いことを言った。


「びっくりしましたけど、ジオがいるなら安心ですね」


 イリヤは笑った。守るしかないよねこの笑顔、とジオは思った。


「なにかあったらすぐに相談してよね、下僕が一人で解決しようなんて一億年早いんだから」
「はい、そうします」


 ほどなく大きな箱で教材などが届き、イリヤの学生生活が始まった。


「ジオ、わからないところがあるのですが」
「うん、ちょっと待ってて……」


 ジオはジオで、ほかの生徒の質問を受けているらしい。