ジオの採点によればーーひとつ目の試験の結果はまずまずだった。この問題は解いてくれよと思った問題は解けている。ケアレスミスが多かったかも知れない。国語の点数が高かった。
「プラスとマイナスが逆にならないようにね。あと、リハト湖の戦いじゃなくて、リヒト湖の戦い」
「はい……」
「落ち込まなくていいよ、わざと意地悪な問題にしてるところもあるし」
「そんな、ひどいですよ」
「かわいい下僕にあえて試練を与えることも必要だからね」
軽口を叩くジオだったが、「ひどい」というワードにはひっそりと傷ついた。
そして、もうひとつの試験はというと。
ジオの説明によれば、魔術学校の通信課程に入学するためには書類審査とリモート面接があるという。
「問題は面接。魔術を一つ見せること」
「それは……どんなものを見せればいいんでしょうか」
「そうだな、イリヤの場合はーー」
ジオの脳裏に「カエルに変身する」という選択肢が一瞬浮かんだが、すぐに却下した。カエルは論外だ。しかも、元の姿に戻る際の問題もある。
「あ。ハロウィンの時に教えてもらったカボチャを膨らます術がありましたね!」
イリヤの声は、最善策を思いついたとばかりにやや興奮気味だ。
「そっ、そうだね! 確かにあれならわかりやすいし、失敗の可能性低い。うん、そうしよう。カボチャの方がいい、絶対」
「ジオ、どうかしました?」
「いや、なんでもないよ」
ジオはカボチャの魔法を教えていた過去の自分に心底感謝した。



