そうしてあっという間に一週間が過ぎて行った。
イリヤは自分が置かれている状況を徐々に飲み込んでいったが、どうしたら元のジオの家に戻れるのか、それは未だに分からない。
来たときと同じように、突然あのどこまでも落ちていくような奇妙な感覚を味わうのかと思うとぞわぞわした。これでは何をするにも落ち着かない。
一方ジオは頭を悩めていた。
家事がしやすいよう、【マリア】には内緒で導線を整えていた時である。
庭に、巨大な手が現れた。
人ひとり包み込んでしまうような、巨大な手である。
それはどんどん家に近づいて来て、ジオは咄嗟に炎を出し、その手を焼いた。手は慌てたようにじたばた動いた後、背後へ引っ張られるように消えた。
なんだ、今のは。
呆然とするジオの元に洗濯かごを持った【マリア】が現れ、「なんだか焦げ臭くない?」と言った。「近所にゴミでも焼いてるんじゃないですか」とジオは適当に返事をしたが、【マリア】は首を傾げた。ゴミを焼いている臭いが届くような近所に家が無いからである。



