イリヤとヒルデはふたりぶんの声量とは思えない声でどよめき、はしゃいだ。

 画面の向こうのナターリアは不貞腐れているようにも見えるがただ恥ずかしがっているだけだろう。


『ブルーノさん、よく諦めずに頑張ったよねぇ。お母さんはうれしい!』
『いやいつからブルーノさんのお母さんになったんすか……』
『なんか、二人を見てきた者として、感慨深いんだよね〜』

 遠い目をするヒルデに、わかるわかる、とイリヤは頷いた。

 その頃の男子はというと、


『ヴィットリオ!!お前のおかけだ!!!』
『やったなブルーノ!!!』

 と、暑苦しく盛り上がっていた。
 ブルーノはなにかとヴィットリオに相談し、ヴィットリオは、ブルーノを慰め、時にアドバイスをしてくれていた。

 二人で遊園地にでも行ってくればいい、と今回のことを計画してくれたのもヴィットリオである。


『末永く幸せにな!』
『ありがとう! オレ、しあわせになる!』


 女子三人はというと、ずいぶん遅くまで会話をしていた。
 議題は、イリヤとジオについて、だ。


『最近どう? なにか進展あった?』
『いつも通りだよ。忙しそうだから、ちょっと話しかけにくいかも』
『そっかぁ……』


 ヒルデは残念だね、と眉を下げた。『イリヤちゃんたちこそ、テーマパークとか行けたらいいのにね』

『あの仏頂面の上にうさぎの耳がついたら……ぶっ』

 ナターリアは失礼な想像をしたが、イリヤは、ああ、それはアリだ、見たい。と思っていた。さぞ可愛くなるのだろう、と。

 階下からもう遅いからそろそろ寝るんだよ、とジオが叫んでいる。

 はーい、とイリヤは返して、友人二人に手を振った。