ナターリアはしきりに当たりを見回した。だが、どれだけ見てもブルーノ以外の友人たちが現れるはずもなかった。


「だから、みんな来られなくなったんだって」


 ブルーノは先ほどから繰り返しているセリフをまた口にした。


「や、そんなことあります?」
「あるんだよ。イリヤはジオルタに捕まって、ヒルデは家の用事で、ヴィットリオは家に隕石が落ちたんだって」
「おかしいだろ。ぜってー嘘だ。特にヴィットリオ!」


 がおー、と叫び出しそうな勢いでナターリアは髪を掻きむしった。なんでこれがかわいいのかブルーノ自身にもあいかわらずわからないが、かわいいものは仕方がない。

 開き直って何度かデートに誘ったが「なにを仕掛ける気か分かりませんがその手には乗んないっすよ!」と全然乗ってこないので、この度は仕方なく友人たちの協力を得て騙し討ちをさせていただいた次第だ。


「二人きりってマジすか……」


 ナターリアは困惑した。もちろんブルーノが嫌いなわけではないが。いきなり二人とは。


「とりあえずなんの罠でもないから安心しろよ。行きたくないのか? マジカルラビットランド」


 マジカルラビットランドとはみんなで行く、ということにしていた遊園地だ。その名の通りうさぎがモチーフのアトラクションがたくさんある。そして目玉は、もふもふうさぎふれあいコーナー……。


「や……行きたいっすね」
「じゃあ、行こうぜ」


 ーーかくして、二人のデート?ははじまった。