クスクス笑ってスマホを切る。

「んーーーー♡気持ちいい天気♡」

大きく伸びをして…スマホをテーブルに伏せる。

「いらっしゃいませ。」

おしぼりとウォーターを差し出す店員にシレッとして…奈々美はぶっきらぼうに答える。

「キャラメルマキアート。」

大きな伸びをした時とは一変……数秒前の表情からの無表情。

大きなため息と共に頬杖をつく。

自分と朱雀との関係を匂わせてやった…

この数人のざわつきに、まだ、やや不満足な自分にイライラした。

電話の向こうに友達はいない。

さっき…切るフリをしたスマホに朱雀からの通知も無い。

一緒に来たなんて…嘘。

あれから…彼と会えていない苛立ちに奈々美は好きという感情が溢れるのを感じた。

溢れる想いのやり場のなさに、溺れそうになる。