taigaPが、軽いノリで言い出した視聴者投票…つまりはファン投票で、1位…。朱雀は、このオーディションを視聴する人の中ではかなり有力な候補生なのだ。

だから…

この小さなお人形さんのような女の子から発せられる…まるで朱雀は自分のモノであるかのような会話には店内が密かに騒つくのも無理は無い。

そうでなくても…10代らしき女子の電話の会話があからさまに聞こえてしまうと、聞き耳を立てたくなるものだ。

それが色恋を含むと…鼓膜、全集中。

「んーーーー♡だって、別れられないじゃない。だって…私も朱雀もお互いに好き同士なんだから…。(笑)ん、ふふ。」

そう言って奈々美は、カフェのテラス、中央のテーブルに腰掛ける。