流青君に触れられたことでキュンとして…スゥへのイラつきが軽減される。

私って単純。

「いいですね。幼馴染みって…。
いい思い出が沢山ありそう。」

やっと笑えた私から…流青君が少しだけ視線を外したように感じた。

前髪をかき上げながら、鼻で息を吐いた彼は小さく微笑む。

「ああ…いいよ。幼馴染みって…。」

なんだろ…今のセリフだけ嘘に聞こえる。

純粋で…晴れ渡った思い出の空に、彼は雨雲を気にしている……

そんな風にもとれる表情で、流青君は無理して微笑んだようにも見えた。