「スゥと違って…流青君は、大人だしっ。
スゥと違って…流青君は誠実だしっ。
スゥと違って…こんなこと…。」

あっ……。

最低…私。

イラついているため息と同時に私のブランコの鎖を振り払うスゥを見て…私の心が悲鳴を上げる。

スゥを抱きしめたい。

そんな腕を自分の胸の前で固く抱え込む。

やり場の無いスゥの横顔に…私は自分の今にも潰れそうな胸のありかを悟られまいと紙袋を抱きしめて、家までの坂道を駆け上がった。



はぁ…はぁ…はぁ。

アパートの扉を閉めて…指を唇に滑らす。

まだ感触が残る…甘くとろけるような感覚に心がついて来ない。

スゥの側に置き去りのままの心。

どうして?…急…だよ。