私を、甘やかさないで…つけ上がらせないで。

スゥの手を軽く解くと
私は床に落ちていたマジックを手に取った。

〝 早くしないと花火、始まっちゃうよ 〟

書き換えたホワイトボードをスゥの方に突きつける。

スゥは咳払いを一つ…。

しばし、天井を見上げてから、ニッコリ笑う。

そんな…顔しないで。

戸惑う。

私はもう一度、ボードを書き替える。

〝 彼女 傷つけないで 〟

黙って…視線を下げてしまう私からボードを取り上げるとスゥはその答えを探す。

〝 わかってる 〟

…と殴り書いた返事を見て、ホッとした表情の私にもどかしいと言わんばかりに、ホワイトボードをバタン…とテーブルに伏せる。

スゥはグイッと私の鼻先に顔を近づける。