scene No.2

「ただいまぁ…。」

玄関の戸を開けると静かな部屋の奥に、沈みかけの夕日の光が滑り込む。

鎮まる空気にスゥは留守だと思い込んで、2.3歩、廊下に足を踏み入れるが…

あっ…スゥのスニーカー。

いるんじゃん。

「スゥ…?いるの?もうそろそろ、電気ぐらいつけたら…。」

私はリビングの扉を開けて思わず息を飲んだ。

とりあえず…電気を付ける。

パッと視界が広がって…しゃがんでため息をつくスゥの背中に、もう一度息を飲み込んだ。

「ど…どうした? コレ…。」

「……おかえり。ごめん、連絡出来なくて。」

「いいよ…別に。それより…何?コレ。」

「……ったく、奈々美のやつ…。」

「へっ…奈々…って、もしかしてこの間の?」

……そういう関係。 

…セフレの彼女…ですかね。(失笑)