流青君は私からブラシを受け取ると、スタイリングチェアの高さを自分の身長の高さに調節しながら笑った。

「僕は、お仕事でしょっ。」

「……ん、もぉ!そんなにサクッと言わないでよっ。
私、それでも凄く嬉しいんだからっ。
例えお仕事と言えど、滝沢君と花火が見れるなんてっ。」

「(笑)恐縮です。僕も楽しみですよっ。
豪華クルーズに花火。
アリスさんのお店のPR写真集の撮影会にヘアメイクで同行させて頂けるなんて…贅沢ですし…光栄です。」

「他の女の子に目移りしないでよっ。滝沢君…カッコいいから…。」

アリスはキラっキラの上目使いで流青君を見て笑う。

「(笑)ちゃんと、仕事します。」

なーーーーんだ、そういう事かぁ。

…って、

すごくドキドキした…。

何これ…自分の顔が熱くなってるのが分かる。