…火花…

scene No.1

昨晩遅くにダンススタジオから帰ってきたスゥは、シャワーの後…リビングのソファーでそのまま眠ってしまったらしい。

半分ずり落ちているブランケットをスゥの肩に掛け直すと、胎児のように疼くまる彼の寝顔が可愛いすぎて…叩き起こせない。

私はダイニングのホワイトボードにメッセージを書き込んだ。

だって…スマホの着信音にやたらと過敏なスゥは、その音で目を覚ましてしまいそうだから。

もうしばらく…この寝顔を見ていたい。

たぶん、起きてすぐに…ひどい寝癖の頭に驚いてブツブツ言いながら髪をくしゃっとするであろうスゥを想像してメッセージを書く。

〝起きたら連絡して。〟

〝今日、花火どうする?〟

私も…スゥも…感情はいつも曖昧。