2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」

「大丈夫…かなり落ち着いたから。もう平気。」

リュウは私たちの知らない努力を重ねてきた。
コンプレックスとも戦って来たのだろう。

このまま…リュウの優しさに甘えるだけの自分は嫌。

「色々と疲れも出てきたのかな…。明日、予約のお客さんも少なめだし休んだら?無理しない方がいいよ。」

このまま…甘えるだけの私じゃ…

ふっと息を吐いてソファに深く身を委ねた時、リュウが思い出したようにテレビのリモコンを手にとった。

「あっ、そうだっ…朱雀のオーディション番組、始まってるよ!」

画面に、ダンスのカウントに合わせてスゥの横顔がクローズされる。

真剣な眼差しとキレよく手足を動かすたびに…飛び散る汗が私を釘付けにさせる。

このまま、甘えて宙ぶらりんでいいはずがない。

スゥのTシャツが汗に染まって、金色の前髪からは雫が落ちる。

宙ぶらりんは私だけ…。

リュウもスゥも夢や理想に真っ直ぐで迷いがない。

擬似プロ審査。

スゥの目に曇りはなく…

プロの目をしている。

迷いだらけの宙ぶらりんは私だけ…せめて仕事くらい2人に負けていない女になりたい。

2人に見劣りしない…釣り合う自分でいたい。