scene No.2

「ハルっ。乗る?後。」

スゥは私のママチャリに跨って、私の歩くスピードに合わせてペダルを漕ぐ。

速度が無くて安定せず…ヨタヨタする前輪。



なんかーーーっ。

ホントっ!!

モヤモヤするっ!!

どうして勝手についてきて…勝手に私の自転車に乗って、勝手にわたしの歩幅に合わすのっ…?!

スゥといると本当に私の感情が乱れるっ。

「もぉっ!!んーーーーっ!!」

私はスゥのTシャツを引っ張ると目力で〝乗せてっ〟と訴える。

ニッと笑う彼は、私が後ろの荷台に腰掛けて…自分の腰に腕を絡ませるのを確認すると、ペダルを強く踏み込んだ。



スゥのシャツに寄せる額。


人肌…。


男の子の広い背中のラインを感じる。