「綺麗だね…。」

自分で呟いておいて、夕陽のことなのか…リュウの横顔のことなのか?主語がわからなくなる。

「うん。昔のまんま…ここは綺麗だよ。」

「リュウ…。アキちゃんに会わせてくれてありがとう。」

「いや…ごめんな、付き合わせて。
ハルには全く関係ないのにさっ…。」

「アキちゃんのおばあちゃん…素敵な方だね。」

「ああ…本来なら、俺も朱雀も、あの人の所へは顔を出してはいけない人間なんじゃないかと思う。」

「リュウ……。」

「秘密基地に誘ったのは俺たちだよ。
それなのに、孫みたいなもんだって…俺たちのこと。
忘れるはずないのにさっ…苦しかったら、アキのことは忘れて前を向けって…。
その為の…前を向く為のお墓だって言ってた。
アキと友達でいてくれてありがとうって。」

今にも泣きそうなリュウの手をそっと握る。