「うわぁ……。すごいオーシャンビュー…。
港を一望できるって…ホントだぁ。」

私は氷見の港が一望できる温泉リゾートホテルの最上階からオレンジの水平線に溶けていく夕陽に目を細めた。

まるで絵画のように艶やかなオレンジ色。

モダンで海外の邸宅のようなリビングから繋がってガラス張りの寝室はリクライニングするとそのまま海を眺められる位置にキングサイズのベッドが2つ隙間なく並べられていた。

変に意識してしまう表情を見せまいと私は大きな窓を開け放ち水平線を見つめた。

リュウも窓辺に寄ると黙って眩しい光の塊に目を細めた。

言葉ではいい表せない美しい故郷の海をリュウは何を思って見つめているのだろう。

夕陽が沈んでいく1秒1秒を見逃したくないけれど…リュウの男の色気の漂う表情も逃したくない。

1秒も…。