小柄でふくよかな体型の彼女は、ビビットなエメラルドグリーンに小花があしらわれたAラインのワンピースがとてもよく似合っていた。

アキちゃんのおばぁちゃんは人当たりの良い笑顔を向けると…

「ちょっとだけ…掛けて待ってて。」と待合の椅子を私とリュウに勧めて、お客さんの会計や見送りを済ませた。

「お盆休み休みだと思ってて…お忙しいところ急にすみません。」
リュウが言うと、

「いや、いや。さっきのお客さんは急遽頼まれてね。気ままにお仕事させてもらってるだけなのよ。」と、アキちゃんのおばぁちゃんは隣接する住居スペースのリビングダイニングに私たちを案内してくれた。

広さの割に…物足りないくらいに整理整頓された高齢者の一人暮らしのダイニングは、少し寂しい気もしてくる。

「貰い物なんだけど…食べてくれる?」

ダイニングテーブルに並んで座った私たちに、アキちゃんのおばぁちゃんは寒天と白玉が入った夏らしい水羊羹と麦茶でもてなしてくれた。

そして自分用の麦茶も用意しながらワクワクした顔で私とリュウを交互に見た。