時折り…リュウは自然と私の手を掴む。

駅のホームや改札で、オロッとする私を「こっち…。」と言って手を繋ぐ。

その度に、温かい手ひらの感覚に心まで掴まれてしまうのがわかる。

東京駅から富山駅。北陸新幹線〝かがやき〟で約2時間あまり。

座席にリュウと2人、並んで腰掛けると今更ながらソワソワしたりする。

リュウとデート…初めてかも。

流れで…というか、リュウの優しさで一時的に一緒に暮らしている私たちを、周囲が知ったらどう感じるだろう。

実際は一緒に住んでいるというより居候なだけの私。

色々と保留にしてきた気持ちが今日、この日に溢れ出してしまいそうでドキドキする。

隣にリュウがいるだけでドキドキする。