…君がいた街…
scene No.2

関東ブロックでの入賞が決まった日、リュウが帰って来たのは未明からの明け方近くだった。

心地の良い酔いと共に帰宅したリュウは、次の日の晩から、極度の疲れと緊張の糸が緩んでしまったせいか…熱を出して3日程寝込んでしまった。

〝一緒に…眠って。…は

当然の如くおあずけのまま…

リュウが元気になった後も、お互いにそれには触れることもなく…意識はしつつも素直に言葉や態度に表せない控えめな距離感での日常がそこにはあった。

そして…約束の富山への帰郷。

モヤっとする気持ちは一旦保留にして、私は都会からの開放感にちゃっかり理想のデートに気持ちをシフトして北陸へと向かう新幹線に乗り込んだ。