「冗談ですって。
あっ!…冷蔵庫の飲み物、片付けるの忘れてた。」
彼女はそう言って、サイドボードに取り付けられた小さな冷蔵庫からオレンジジュースの缶を私に差し出した。

そして自分は飲みかけのペットボトルのコーラを口に含む。

モノクロのゴスロリファッション。

大きな襟の中央にはレースなのにパリッと仕上がった大きな黒いリボン。

袖とスカートはふんわりと膨らんで、
足元は白タイツに艶のある黒い厚底靴。

そう言えば奈々美ちゃん…髪、切ったんだ。
肩より少し上の内巻きのボブ。

その髪と気合いの入ったロリータファッションのせいで以前よりも一段と個性が増したように感じた。

細くて華奢な手足、デコルテ…なのに不自然に豊満な胸元。

白いブラウスの小さなボタンが弾けてしまいそうだ。

アニメか?バーチャル彼女か?…のイメージが増す奈々美ちゃんの手首には生々しく包帯が巻かれていた。