2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」

「リュウ…リュウが居なかったら、私…今頃…。」

ドライヤーに掻き消される、私の声。

リュウの繊細な指先が私の頭皮をリズミカルに跳ねる。

でも…結局、リュウがあの場に居ても居なくても…私はリュウに助けを求めてた。

そう思う。

「ありがとう…リュウ。」

「ん?」

リュウがドライヤーを止めてこちらに少し首を傾けるのが分かる。

「私、ここに居たい。リュウの…側に居たい。」

俯いたまま、その答えを待つ。

音が止まった部屋に私の吐く息だけが空気を震わす。

リュウはドライヤーを置くと後ろから私の背中を抱きしめる。

「帰さないよ。あの部屋にも…朱雀にも。
ハルは返さない。」

耳元のリュウの声はいつも通り優しいけれど力強く…

私にだけ。
本当に、私にだけ囁いてくれていた。