「奈々美はっ…!?」
息を切らせたスゥが救急の病室に飛び込んで来たのは、止血も終わって奈々美ちゃんの寝息が安定した頃だった。
もう…すでに陽が堕ちかかっている。
大きな入道雲にオレンジの影がかかって…お昼の熱風がそろそろ行き場を無くした頃だ。
合宿での撮影が終わって…やっと私のメッセージを見ることが出来たのであろう…。
〝 奈々美の様子は? 〟
〝 今、向かってる! 〟
と返信があってからさほど時間はかからずに
彼はここへ到着した。
スゥの顔を見てハッと我に返った私は…これまでの重い空気を押し上げるかのように、部屋の隅の長椅子から立ち上がった。
「マジで……何やってんだよ…。」
スゥは奈々美ちゃんの顔を見て呟くと、その唇を噛んだ。



